70期 長部 稀
3年間が残してくれたもの
70期 長部 稀
3年間が残してくれたもの
僕は高校では選手として、大学ではコーチとしてOWLSに所属していました。そして現在は、テレビ局でアナウンサーとして働いています。
振り返るとアメフト部での3年間は楽しかった思い出ばかりです。3年生の春に関東大会に出場できたことや、綺麗なタックルができて周りから褒められたこと、修学旅行の班のメンバーをアメフト部の部員だけで構成したことなどなど。本当に充実していたと思います。
ただ僕が一番印象に残っているのは、高校最後の試合での悔しい思い出です。3年生の秋の大会、勝てば関東大会出場が決まる試合で僕たちは大逆転負けをして引退しました。試合を有利に進めていたにも関わらず、後半の終盤に追いつかれ延長戦で負けたのです。相手にタックルできなかった瞬間を今でも覚えています。もっと練習しておけば、もっとミーティングをしておけば、もっと筋トレしておけば。挙げればきりがないほど後悔しました。実は、悔しすぎてまだしっかりと試合の映像を見ることもできていません。本気で3年間取り組んだからこそ、あと少し足りなかったという事実を受け入れるのに時間がかかりました。
一方で、その後悔が後の自分の原動力になったのも事実です。
大学受験も就職活動も、もうあの日のような後悔はしたくないと思ったからこそ最後まで頑張れました。そのおかげで夢だったアナウンサーになることができ、報道番組やスポーツ中継など毎日様々な仕事をすることができています。高校生の頃の自分にありがとうと伝えたいです。
とはいえもちろん今も、辞めたいと思ったり逃げたくなったりすることは沢山あります。それでも僕が何とか踏ん張れているのは、OWLSで経験した強烈な後悔があるからです。当時は負けたら何も残らないと思っていましたが、今思えば意外とそうでもありません。綺麗ごとかもしれませんが、無限の可能性を持つ高校生にとっては「結果よりも過程が大事」だと思います。たとえ結果だけ良くても、中途半端な取り組みでは手元に僅かなものしか残りません。騙されたと思って一生懸命何かに取り組んでみてください。無駄だと思うことも全力でやってみてください。きっと未来の自分が感謝してくれるはずです。
そしてもし何をしたらいいか分からず迷っている人は、一度アメフト部の練習を覗いてみてください。きっとOWLSでは熱中できる環境と仲間が皆さんを迎えてくれます。
長部 稀
2015年〜2017年、都立西高。2017年、春季関東大会4位入賞。2016年、STICK BOWL東京代表。2017年、NEW YEAR BOWL東京代表。
2019年〜2022年、都立西高コーチ。
2023年〜、テレビ東京アナウンサー。(2024年現在)
こちらのテレビ東京のインタビュー記事でアメフト経験について触れています。